せっかく海外で良いホテル泊まるなら、5つ星ホテルにしておけば間違いないでしょ!

…と、以前は僕も思っていた。

けれども約2年間、世界100ヶ国を旅してきて行き着いたのは「五つ星ホテルだからといって安心できない」「むしろがっかりすることが多い」という結論だった。

筆者の宿泊スタイル

まず初めに僕の現状や宿泊スタイルをお伝えしておくと、終身旅行者(PT)なので特に拠点を持たずにホテル暮らし。宿泊費用はなるべく安く抑えたいが、よほどホテル代が高騰しているわけで無い限りドミトリーや安宿は使わない。モダンで清潔なホテルが好き。プライバシー大事。こうしたワガママスタイルで約2年間、2つ星から5つ星まで世界中の様々なホテルを利用してきた。

ベルン町並み

5つ星ホテルが必ずしも良いわけではない理由とは?

100ヶ国以上の国々で滞在してきた中で、いわゆる「現地の5つ星ホテル」も利用してきたが、個人的には「5つ星だからと言って快適とは限らないな」というのが率直な感想。その理由は次の通り。

理由1:国や地域によって星の基準が違う

国や地域の生活水準や経済状況によって、その星の意味も異なってくる。

これは有名ホテルグループのホテルを見るとわかりやすい。例えばアコーホテルズのNovotelというホテルは、アジアでは5つ星とされるケースもあるが、ヨーロッパでは3か4つ星が当たり前となっている。

エントランス

つまり同じブランドのホテルだとしても、国や地域によって5つ星の定義が異なってくる。なので先進国の5つ星ホテルのクオリティを求めて、途上国や後進国の5つ星ホテルに泊まるとガッカリするケースが多い。

理由2:無駄に豪華すぎる/オーバースペック

特に一人旅で5つ星ホテルに泊まると、部屋が無駄に広くて落ち着かなかったり、ジムやプール、サウナなど利用しきれないサービスや施設が多くて、逆に虚しく感じたり損した気持ちになったりする。あとはホテル全体が大きすぎて館内の移動に時間が掛かったり、サービスが厚かましすぎたりするなど、意外とデメリットも多い。

有名ホテルグループの4つ星ホテルが優れている理由とは?

実際に僕は2018年に世界中の街を転々とするようになってから、最初はExpediaやHotels.com(ホテルズドットコム)などで適当に星の数が多くて良さそうなホテルを探して予約していた。しかし実際に泊まってみるとイマイチないしは勿体ないなぁと思うことが多かった。

あれこれと様々なホテルに系100回以上泊まってきた結果、余計な不安無く快適に泊まれるのは、有名グループの4つ星ホテルあたりが絶妙に良いことがわかった。

ラディソンブルー ウィーン

ここで言う有名グループホテルとは、例えばヒルトンやマリオット、ハイアット、IHG、アコーホテルズといったホテルグループを指す。

こうしたホテルグループはもちろん最上級の5つ星レベルのホテルを世界中に展開している。しかし、実はそれ以外にも比較的安価でコンパクトなホテルブランドも展開している。

例えばヒルトンで言えばハンプトンイン(Hampton Inn)やガーデンイン(Garden Inn)、IHGで言えばホリディイン(Holiday Inn)、マリオットで言えばアロフト(Aloft)やフォーポインツ(Four Points)、モクシー(Moxy)、アコーホテルズで言えばノボテル(Novotel)やメルキュール(Mercure)といったブランドがある。

ホリディイン韓国

これらのホテルブランドの特徴として、本家のヒルトンやマリオット、インターコンチネンタルといったラグジュアリーブランドのホテルに比べると高級感や大きさは劣るものの、似たようなクオリティのホテルに泊まることができる。このクラスのホテルが快適な理由について次にまとめてみた。

理由1:サービスレベルが一定

ホテルの外観から部屋のテイスト、綺麗さの基準に至るまで、ホテルのブランドごとに統一されている。そのため、同じブランドのホテルであれば、他の街や国で利用したとしても一定のクオリティのサービスを受けることができる。

これは特に知らない土地に初めて行くときなど、大きな安心感に繋がる。もちろん細かい部分で言えば差は生じてくるが、失敗となるリスクはかなり下げられる。

理由2:コンパクトでスマート/厚かましくない

5つ星ホテルみたく、仰々しい門構えや豪華なロビー、迷いそうになるフロアが無く、至ってシンプルなところが多い。そのためフロントから部屋までの移動や外出の際の移動が少なくて済む。

例えばラウンジやロビーでゆっくり過ごしたい時など、5つ星レベルになると、丁寧に話しかけてきて何かしらのサービスをしてくれることが多い。それはそれでありがたいし嬉しいのだが、余計に要らないもの注文してしまったり、長時間居づらくなったりしてしまう。

これに対して4つ星レベルだと、良い意味で放っておいてくれるので厚かましくなくて良い。素晴らしいところだとロビーやレストランが自由に使えて、セルフサービスでコーヒーやお菓子がもらえるところもある。あくまで、こちらから何かお願いしたときにだけ親身に対応してもらえるのが一番居心地が良い。

理由3:上級会員で更に快適に

各ホテルグループ独自の会員プログラムを有していて、特定の条件を満たすと上級会員になることができる。上級会員になると、例えばレイトチェックアウトやウェルカムドリンク、中には部屋のアップグレードや朝食やラウンジの利用が無料でできるなど、より便利で快適に過ごせる特典・サービスを受けることができる。

上級会員になるための宿泊数やポイントを、同じブランド系列の4つ星ホテルで稼ぐことができるので、利用すればするほど、更に快適な滞在ができるようになる。普段は4つ星のブランドホテルを利用して、溜まったポイントで同じ系列の上位ブランドのホテルに泊まるなんて使い方も可能だ。

これも適当に現地独自の5つ星ホテルをチョイスしただけでは得られない積み上げ式のメリットである。実際の体験で言うと、アゼルバイジャンのホリディインでは、なんとスイートルーム似無料アップグレードされた。

スイートルーム

IHGグループやアコーホテルズに泊まる際は、毎回ウェルカムドリンクチケットを貰える。ヒルトン系列であれば朝食ビュッフェが無料で利用できる。

Mercure Sao Paulo ウェルカムドリンク

4つ星ブランドホテルこそ間違いない

ただでさえ不安の大きい見知らぬ土地での滞在において、ホテル選びは重要である。個人的にはホテルが良いと、その街のことも好きになるし、ホテルがいまいちだとその街の印象が悪くなる傾向にある。

世界中の様々なタイプのホテルを転々とした結果、4つ星のブランドホテルがベストという結論に行き着いた。2019年夏から徐々にブランドホテルに滞在先を集中させ初め、今では特段理由がない限り、いずれかの4つ星ブランドホテルで滞在するようにしている。

キャノピー ザグレブ

結果的にホテル選びにも迷いがなくなり、予約の手間もかからなくなった。会員のランクも上がっていくので、思わぬアップグレードなどで嬉しいサプライズも多く、とても満足度が高い。

もちろん、現地の5つ星ホテルには素晴らしいところもある。オリジナリティや現地らしさを感じるにはその方が良いだろう。しかし特段ホテルにこだわりがないけど、失敗したくない場合には、下手に星だけを頼りにするよりかは、安定したブランドホテルにした方が良い。