2019年9月、中央アジアのタジキスタンの首都ドゥシャンベから空路で出国した。その際に非常に残念な事があった。警戒の意味も込めてレポートしておく。

端的に言うと、出国審査(イミグレ)での、審査官からの賄賂請求をされた。

中央アジアは基本的に穏やかで人が良いので、こういう警戒を怠っていた。

長旅の最後の訪問国だったタジキスタン。
気分良く出国して、日本に戻ろうとした時に起きた悲しくなる出来事だった。

ドゥシャンベ国際空港

ドゥシャンベ国際空港は、中央アジアないしは旧ソ連国家の空港にしては、かなりモダンな作りになっていた。案内板等も全部新しい。

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ただ、オペレーションは全てマニュアルで非効率。
デジタルのBoarding Passなんかは使えない(そもそも発行できない)。

入り口で手荷物検査をしたあと、チェックインカウンターに行き、Boarding Passをゲット。
2階に上がると、なぜか出国審査をサンドイッチする形で、

手荷物検査

出国審査(イミグレ)

手荷物検査

となっている。

その中で出国審査をしている時に事件は起きた。

タジキスタン出国審査官が言いがかりをつけて賄賂を請求

タジキスタンに入国する際は、そもそも事前に観光ビザの取得が義務付けられている。
(無駄に$50もする)

そして入国時には、入出国カードを書かされ、出国カード分だけが返却されてくる。

なので、出国のイミグレでは、

・パスポート
・観光ビザ
・出国カード

の3つを事前確認もして確かにを提出した。

しかし、一通り書類をチェックしたあとに、審査官のブースの後ろに下がり、もぞもぞしている。

戻ってくると、知らない人の出国カードを見せて何か言ってくる。

どうやら、出国カードが無いぞ!と言ってきてるっぽい。

いやいや、提出したと言い張るも聞く耳を持っていない。

最初は、もしかしたら入国の際に、審査官が間違えて返却してしまったのかと思ったが、そんなことない。そうであったとしても俺の責任じゃない。

ブースの後ろに一回下がったのが、いかにも怪しすぎる。
俺の出国カードをすり替えに行ったに違いない。

無意味な水掛け論が続く中、審査官がボソボソと何か言っている…

「money……money…..」

は?

もう、ため息しか出なかった。

少し声を荒げて渡しただろと言っても、まだ聞かない。

「money……money…..」

出国カードが無い。金よこせとずっと言ってくる。

もっと切れようかとも思ったが、ここは出国審査(イミグレ)

万が一にも出国できないことになったらシャレにならない。

こんな腐った人間がイミグレの審査感やっている腐った国で、トラブルおきて勾留なんかされたら最悪だ。

結論を言うと、一切何も払わずに出国することができた。

ただ、こうした場で賄賂請求されたこと自体が本当にショックだった。

別にここまでタジキスタンに対して嫌なことなかったけど、
むしろ、良い国だったなぁと思っていたところだったけど、
これで一気に嫌いになった。もう2度と行くことはないでしょう。

過去にも被害者

今回のタジキスタンでの賄賂請求に関して調べてみると、ここらへんの中央アジア諸国(特にキルギスタン/タジキスタン)は賄賂天国になっているみたい。

見る限り陸路での報告が多いが、今回のように空港でもあるとは、、、ほんと腐ってる。

てか、払ってしまっているのか…。
しかも$200って高すぎ…笑

外務省からの警告も

外務省の海外安全ホームページにも、警告が出ていた。

出国時における罰金支払要求に関する注意喚起

7月22日、ドゥシャンベ空港において、旅行者が出国する際、「出入国カード」を記載していないことを理由に罰金(賄賂)を要求される事案が発生しました。現時点において、タジキスタンには「出入国カード」を所持していないことを理由として罰金を支払う義務はありませんが、入国する際には「出入国カード」を記載する必要があります。出国時に無用なトラブルを避けるため、入国時に「出入国カード」を記載するようにして下さい。
なお、入国審査の際には職員から「出入国カード」を記載するよう指示等がないのが現状です。ドゥシャンベ空港においては、「出入国カード」は出入国ブース前の査証窓口付近に置いてあります。用紙がない場合は職員にお問い合わせ下さい。また、陸路で出入国する場合においても、同様の事案が発生するおそれがありますので注意して下さい。

完全にこれに該当!笑

賄賂請求された時の対処法は?

まず大前提として、払う必要は無い。
少しでも、「面倒だから…」と思って妥協してはいけない。

俺が賄賂請求された時に考えた策、実際にやった策、
後から考えて効果的じゃないかと思った策について記しておく。

1.周囲に助けを求める

今回みたく賄賂請求してきた場合は、近くの人間に助けを求めて解決すればよいが、恐らくそうはならない。
周りの人間もグルになっている可能性も高いから、あまり意味は無いかなと。

今回もすぐ横にもう1人審査官いたけど、そいつも見てみぬフリしてた(まじでクズばっか)

ただ、空港ならまだ、ましな人もいたかもしれないから、大声あげたりして助けもとめるの有りかもしれない。陸路は恐らく無理でしょう笑

2.完全に無視し続ける

今回とったのは、この手法。

審査官はずっと小さい声で(やはり大声は出せないのか)

「money… money…」

と言っているのが聞こえた。
ほんと声が小さくて、こもってて、かろうじてその単語が聞こえたくらい何言ってるかわからなかった。

なので、それを逆手にとって、ずっと何言ってるかわからないフリして、じっとパスポートが返却されるのを待ち続けた。

3-5分くらいだろうか。この世でも特に無意味な時間が過ぎていった。

その後、

「No??」
「Have a nice flight!!」

と言ってしぶしぶパスポートを返してきた。

速攻でパスポートを掴み、

「FXXK!!」

と吐き捨てて、イミグレを通過した。

3.ライセンスや顔写真の撮影を条件にしてみる

やったことは無いが、相手が嫌がることを考えると、これが強いかなと。

払う代わりに、お前の身分証明書と顔写真を撮らせろと言えば、さすがに応じる奴はいないでしょう。

小さい声でボソボソ賄賂請求している辺り、駄目だとわかってやっているのは間違いないので、身分がバレるのは相当嫌がるはず。

まぁ、余裕な顔して

「OK」

と言われたらちょっと焦るが…笑

公的な人間の賄賂請求は最も悪質

今回のように、公的な人間が、権力を使って金を要求してくるのは本当にたちが悪い。

98ヶ国旅してきたけど、今回の賄賂請求は最も悪質だと感じた。

インドでも、鉄道職員に成りすました詐欺師とかいて、ほんと腐ってるなと思ったけど、所詮は詐欺師でしかない。

でも今回のは完全にオフィシャルの人間がやってたからね。国として腐ってる。

タジキスタン行く方は気をつけて。空港でも油断してはいけない。

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ラフモン大統領、なんとかしろって〜。