「アメリカ行くついでにキューバにも行ってみたい」
そう思って行き方を調べてみると、そもそも情報が少なくて困りました。特にアメリカ経由となると話はややこしくなるんです。
アメリカとキューバは2015年に国交回復しました。しかし、トランプ政権になり、2017年にはアメリカからの観光目的の渡航が不可になってしまいました。ネットで情報を調べても、アメリカから渡航したという情報は乏しく、カナダかメキシコ経由の情報がほとんどでした。
(もしかしたらアメリカから直接行くことはできないのか…?)
そう不安になったときは既にアメリカからの航空券を予約した後のことでした。
先に結果からお伝えすると、アメリカからキューバへは特に問題無く、煩雑な手続きも無く、予定通り渡航することができました。
航空券を予約する際にアラートが出て、不安になる部分はあります。しかしながら、現地のアメリカやキューバの空港では、キューバ渡航に関して特に突っ込まれることはなく、意外とスムーズに渡航ができます。
カナダやメキシコからではなく、アメリカ経由でキューバへの渡航を考えてる方の参考になればと思い、実際に僕が2019年11月中旬、ユナイテッド航空を利用して、アメリカのサンフランシスコからヒューストン経由でキューバの首都ハバナに行った際の様子をレポートしていきます。
準備から入国まで
航空券の予約後が一番不安になる
渡航の半月ほど前に、ユナイテッド航空のホームページからハバナ行きの航空券を予約しました。出発地はサンフランシスコ。ヒューストンでハバナ行きの便へ乗り継ぐルートとなりました。
予約の後半のページで渡航目的を聞かれるので、「Support for Cuban people(キューバ国民支援)」を選択したところ、問題無く予約が完了しました。
実際は観光目的なのに、”キューバ国民支援”なる大それた目的を選択することに気が引けますし、本当に良いのか不安になります。しかし後にも先にも、この時が一番不安にさせられる瞬間でした。
ビザ(ツーリストカード)はアメリカで取得すべし!日本で取得したものは無効かも?
キューバ滞在のビザ要否について調べると「日本人のキューバへの観光目的の入国は30日以内であればビザが不要」と出てきます。一方で「入国に関してはツーリストカードが必要」と出てきます。
結論「ビザ=ツーリストカード」なので、結果的に日本人が渡航する際もビザ(ツーリストカード)が必要になります。
当初は日本のキューバ領事館でビザ(ツーリストカード)を取得しようとしていました。しかし、アメリカから渡航の場合はアメリカの空港で買ったものじゃないとダメという情報が目にしました。(色が分かれている説)そのため、ヒューストンで購入すると決めて、特に日本では準備はせずに出発しました。
日本のキューバ領事館で買うと2,000円程度で済むので、確かに安上がりなのですが、あくまでカナダやメキシコ経由で行く人向けのものらしいです。
サンフランシスコ国際空港のユナイテッド航空カウンターでチェックイン
サンフランシスコ滞在最終日前日に、ユナイテッド航空のアプリやホームページからWEBチェックインを試みますが上手く行かず断念。やはり最終目的地がキューバなのが影響していそうでした。
サンフランシスコ国際空港のキオスク端末でも試しましたが、エラーが出てしまい、カウンターで手続きすることに。
カウンターにてパスポートを渡して行き先を告げると、「ビザの用意はありますか?」と聞かれます。「無いけど、ヒューストンでツーリストカードを買う予定です」と答えると「え、何それ?」みたいな反応。
このとき担当したスタッフさんはキューバ渡航に関する事情をあまり知らなかったようでした。他のスタッフに確認したところ問題無いことがわかり、ヒューストン行きとハバナ行き両方の搭乗券を発券してくれました。
アメリカは特に出国審査が無いので、簡単なパスポートと搭乗券のチェックと手荷物検査だけされて制限エリアへ。
サンフランシスコ国際空港での搭乗時間までは、センチュリオンラウンジとユナイテッドクラブをはしごして過ごしました。
ユナイテッド航空UA1122便に搭乗
ヒューストン行きの飛行機の搭乗時間が近づいたのでゲートに向かいました。
チケットを確認すると、搭乗グループは「Group1」となっていました。ユナイテッド航空はスターアライアンス加盟なので、ANAプラチナ/SFCのおかげで優先搭乗することができました。
機体はBoeing 777-200でかなり大きめ。乗客も多くて深夜便にもかかわらず機内は満席でした。
機内サービスはドリンクとスナックのみ。ユナイテッド航空はスター・ウォーズとコラボしており、紙ナプキンがスター・ウォーズ仕様。
エコノミーでも各席にユニバーサル電源の用意がありました。
3時間半のフライトを終えて無事ヒューストンに到着しました。
ヒューストン国際空港(ジョージブッシュ・インターコンチネンタル・ヒューストン空港)でも、サンフランシスコ国際空港と同様に、センチュリオンラウンジとユナイテッドクラブをはしごして過ごしました。
ユナイテッド航空の搭乗ゲートカウンターでキューバのビザ(ツーリストカード)を購入
ツーリストカードを購入すべく、搭乗時間より少し余裕を持ってハバナ行きの便の搭乗ゲートへと向かいました。
するとゲート横にビザ購入者用のカウンターがあり、既に何人かが列を作っています。
カウンターでは、ビザ(ツーリストカード)を購入したい旨と支払い方法を伝えて決済するだけ。クレカで$75を支払い、無事にビザを手に入れることができました。
ビザの記入項目も、簡易的なものだけでした。
ビザ購入カウンターでもビザ上の項目でも、渡航目的を聞かれることは一切無かったです。
ユナイテッド航空UA6306便に搭乗
EMBRAER ERJ-170-200という細長い機体で、2:2の4列シートになっていました。搭乗率は60%くらい。
勝手な推測ですが、明らかに観光と思われる人も3,4割いました。
機内サービスは、前夜の便と同じくドリンクとスナックのみです。
機内では、キューバの税関申告書(カラー)と健康状態申告書?(白黒)の2枚が配られました。
書類に記入しつつ、約3時間のフライトでキューバの首都ハバナに到着。
キューバ到着後は速攻で入国審査!あっさり入国
ハバナ国際空港(ホセ・マルティ国際空港)では、機体から直接歩いて空港建物に向かいます。
到着(Arriva)と書かれたドアを抜けると、すぐに入国審査のブースが並んでいました。
同じ便に乗っていた人しかいなかったので、順番待ちもほとんどありませんでした。
入国審査官には、パスポートとビザ、税関申告書、健康状態申告書?とりあえず全て提出してみました。審査官からは滞在日数を聞かれただけで、ここでも渡航目的は問われませんでした。パスポートではなくビザの紙の上に入国スタンプが押されて、他の書類も全て返ってきました。
何はともあれ、この時点で無事にアメリカ経由でのキューバ入国が完了しました!
入国審査後は再び手荷物検査がありました。到着後の手荷物検査は珍しいです。その後は出口付近で税関申告書の回収がされて、無事全ての手続きが完了しました。
ちなみに健康状態申告書?は、手荷物検査後に回収しているっぽい人がいたので渡そうとしましたが、ガン無視されたので渡さずに素通りしました。出国時も特に不要だったので、いまいち使いみちが謎な書類でした。
アメリカからキューバへの渡航は意外と簡単
最悪ダメだったら仕方ない…という賭けの状態で挑んだキューバ渡航でしたが、思いの外簡単にスムーズに行くことができました。
航空券購入時の注意書きと目的選択で気が滅入ってしまいがちです。しかし航空券さえ購入してしまえば、それ以降現地では口頭でも書面上でも渡航目的を聞かれることは一切ありませんでした。
…というのが今回の旅で得られた結論です。(2019年11月中旬現在)
もちろん、オフィシャルにOKとされている訳ではないですし、今後厳しくなる可能性もあり得ます。あくまで渡航は自己責任となります。
とはいえ、アメリカから堂々とたくさん飛行機が飛んでいるのに気軽に行けないのも、それはそれで違和感がある話です。それを理由にわざわざ遠回りしてメキシコやカナダ経由で行くのもバカバカしいですし、渡航そのものを諦めたりするのは、更に勿体ないことだと個人的には思います。
キューバへの渡航に必要な書類と費用は?
必要な書類
改めてキューバ入国の際に必要なものをまとめると以下の通りです。(アメリカからの渡航の場合)
- パスポート
- 航空券
- ビザ(ツーリストカード)
- 税関申告書
- 健康状態申告書?
#1と#2は説明するまでもないですね。
#3はアメリカの空港にて出発前に搭乗カウンターで購入可能です。
#4と#5は機内で配られました。#5に関しては誰にも回収されませんでした。
特殊な書類は全て現地で手に入るので、日本から用意していく書類は無いです。何も無いのが逆に不安になるのですが、本当に何も要らないんです。
必要な費用は?
費用については、航空券代とビザ(ツーリストカード)代のみです。
航空券代は、出発地によって異なりますが、マイアミからであれば片道11000円台で行くこともできます。
ビザ(ツーリストカード)代はUS$75かかります。ビザにしては高い部類に入りますし、日本のキューバ領事館で手にするよりも高いですが、書類を準備して申請しに行く手間暇や、カナダかメキシコへ回り道して行くことを考えれば、アメリカから直接$75を支払って行った方が簡単だし、結果的に安くつくはずです。
賭けだとしてもキューバは一度は訪れてみたい国
僕が今回のアメリカ経由のキューバ行きにつちえ調べると、不安にさせるネガティブな情報しか出てこなかったので、少しはポジティブな情報があっても良いかと思い記事にしてみました。
ここまで書いてきた情報は、今後も確実に維持される保証は無いですが、同じように直近でアメリカ経由でキューバに行きたいが不安を抱えている人の安心材料になれば嬉しい限りです。
そして何よりも、アメリカとキューバが気軽に不安無く旅行できるような関係性になれば良いなと願っています。(そしたらまた行ってみたい)
キューバからアメリカへの渡航
一方でキューバからアメリカへの渡航はどんな感じなのか?実際に本記事でキューバに渡航したあと、再びアメリカへ戻った時の様子を次の記事にまとめてみました。こちらも参考になれば幸いです。